
「スーパーゼネコンはやばい」「スーパーゼネコンはやめとけ」ってよく聞くけど、実際はどうなんだろう?
建設業界は3K(きつい、危険、汚い)なんて言われますが、実際のところはどうなんでしょうか。
今回は、元スーパーゼネコン社員の私が、
- スーパーゼネコンで働いた経験
- 転職後に外部の人としてスーパーゼネコン社員と関わった経験
を踏まえて、
を紹介します。
この記事を読めば、スーパーゼネコン(建設業界)の実態がわかり、後悔しない会社選びができるので、ぜひ最後までご覧ください!
スーパーゼネコン(建設業界)がやばい理由



スーパーゼネコンって本当にやばいの?



…やばいです。
働いている当時はそれが普通だと思っていましたが、転職してみて、かなりやばかったことに後から気づきました。
スーパーゼネコンがやばいと言われる理由を
の4つに分けて解説します。
ここで挙げていることは、スーパーゼネコンに限らず建設業界全般に当てはまることなので、「建設業界」に置き換えて読んでいただいてもかまいません。
スーパーゼネコンがやばい理由①仕事量
スーパーゼネコンの仕事量はかなり多いです。
残業が多い
スーパーゼネコンの残業時間は、
- 施工管理(建築や土木など技術系社員)
-
- 通常 → 45~60時間/月
- 突貫(忙しい)現場 → 80~100時間/月
- 事務(文系社員)
-
- 通常 → 30時間/月
- 決算月 → 60時間/月
くらいです。
(部署によっても異なり、現場>支店>本社の順で残業時間は多いです。)
社員の感覚でいうと、残業が月60時間を超えると注意、80時間を超えると警告、100時間を超えるとアウト、という感じです。
他の業種で超えないようにと言われる月45時間は普通にスルーされます。
建設業は現状(2023年時点)、法律上は時間外労働に上限がなく、36協定を締結すれば、その時間内であれば無限に残業ができるようになっています。
2024年4月1日以降は、法律で原則、月に45時間までという時間外労働の上限が定められるため、(少なくとも書類上は)残業時間は減っていくと思われます。
参照元:厚生労働省HP
ちなみに、ゼネコン社員の残業時間が多い理由は技術系社員、事務系社員で異なります。
- 技術系社員の残業が多い理由
-
天候などの外部条件があるなかで、タイトな工期に間に合わせる必要があるため。
- 事務系社員の残業が多い理由
-
複数現場を掛け持っており移動に時間がとられるため。
また、それぞれの現場で所長らから無茶ぶりされる(所長の手元や各種雑務など)ため。
土曜出勤がある
建設現場は土曜日も稼働していることが多いため、建設業界では土曜出勤があることが多いです。
現場によっては隔週だったり、別の日に代休、振休がとれたりしますが、現場が動いている以上、休みであっても会社携帯は容赦なく鳴ります。
ただし、事務系社員の場合は、所長の方針次第ですが、土曜は休めることが多いです。
スーパーゼネコンがやばい理由②仕事内容
施工管理(現場を管理する技術系社員)の場合は仕事内容がかなりハードです。
危険と隣り合わせ
建設現場は常に危険と隣り合わせです。
一歩間違えれば命にかかわるような災害も起きます。
そのため現場では安全対策が徹底されていますが、それでも年に数回重大な災害が起こってしまっているのが現実です。
ゼネコン社員は自分の安全確保のみならず、現場監督として現場全体の安全管理をする責任があります。
体力面でハード
建設現場での仕事は体力面でかなりハードです。
暑い夏、寒い冬、雨の日、雪の日、関係なく現場に出て、現場内を歩きまわります。
また、現場は8時~17時の時間で稼働しているため、7時頃には出勤し、17時頃に現場作業を終えて事務所に戻ると、今度はパソコン仕事が待っています。
体力を使う仕事であるにも関わらず労働時間が長く、休息時間が少ないのです。



工事が忙しい時期になると、ふらふらになりながら現場から戻ってくる若手社員を見かけることもありました。
スーパーゼネコンがやばい理由③業界カルチャー
建設業界はカルチャーもなかなか独特です。



ザ・体育会系、です。
ハラスメントが多い
理由はわかりませんが、パワハラ、セクハラが多いです。
ゼネコンに在籍していると、しょっちゅうハラスメントの話を耳にします。
会社側はどうにか対処しようと、ハラスメントによる懲戒やハラスメント研修の実施を行ってくれてはいるので、徐々に減ってくることに期待するばかりです。
怒号が飛び交う
現場ではよく怒号が飛び交います。
また、メンバーによっては事務所でも怒鳴り声がよく聞こえるということもあります。



他社と電話しているときに事務所で怒鳴っている人がいて、電話の相手から「だ、大丈夫ですか!?」と心配されたこともあります。(苦笑)
特徴として怒鳴っていなくても声が大きい人が多いので、ゼネコンからコンサルに転職したばかりのときは、オフィスがものすごく静かに感じて、逆に落ち着かなかったです。



現場だと大声でないと声が聞こえないので仕方がないんです。
よく言えば、活気があります。
縦社会
ゼネコンはものすごく縦社会です。
社内は年功序列で「何を言ったかより誰が言ったか」ですし、対社外も下請け構造のため上下関係がすごいです。
体質が古い
業界の体質が古いです。
例えば次のような点が挙げられます。
- 打合せはWEBよりも対面、足を運んでなんぼ
- 圧倒的紙文化
- ハンコのスタンプラリー
これは、スーパーゼネコンで働いていたときも感じていましたが、ゼネコンを辞めて転職した後に建設業界の人と仕事した際に、他業界と比較しても古い部分があるなと感じました。
スーパーゼネコンがやばい理由④プライベートへの影響
ゼネコンで働くと、仕事がプライベートに影響を及ぼすことも多いです。
転勤が多い
建設現場は全国にあるため、ゼネコン社員は転勤が多いです。
また、現場の工期は1年~長くて5年ほどのため、そのスパンで現場が変わることになり、転勤じゃなくても引っ越しが伴うこともしばしば。
単身赴任者も結構多かったです。


転勤先が過酷(特に土木現場)
転勤が多いことに加えて、転勤先が極端に田舎で、娯楽なし、家は現場に併設された宿舎、というふうに、過酷なこともよくあります。特に土木現場ではそのようなことが多いです。
過酷ではありますが、そのような場所にインフラ(道路や橋やトンネル)を作って交通の便をよくするなど、社会的意義を強く感じられるというメリットはあります。
休みの日でも会社携帯がよく鳴る
建設現場は土曜日でも稼働していることが多く、休日を交代で取ったりします。
そのため、自分が休んでいても現場は動いているという状況で、休みの日でも容赦なく会社携帯が鳴ります。
そして、事故や災害の場合があった場合に備えて、いつでも携帯に出られる状態にしておく必要があるため、休日の電話も出なければなりません。
これがけっこうストレスだったりします。
スーパーゼネコンで働くメリット
ここまで、スーパーゼネコン(建設業界)がやばい理由を述べましたが、スーパーゼネコンで働くことはもちろんメリットもあります。
ひとつひとつ説明していきます。
年収が高い
スーパーゼネコンは大手企業なだけあって年収が高いです。
毎年、平均年収は1,000万円前後で推移をしています。
ただし、ほとんどが残業代であり、基本給は「めちゃくちゃいい」というわけではないです。
制度はしっかりしている
借り上げ社宅や寮、保養施設、休暇、時短制度など、大手なだけあって福利厚生制度は充実しています。
ただし、休暇や時短制度など、使えるかどうかはまた別の話です・・・。
規模の大きい仕事に関われる
スーパーゼネコンの仕事は、国家プロジェクト(リニアやオリンピックなど)やインフラ(道路、橋、トンネル、ダム、など)など、社会的意義のある規模の大きい仕事も多いです。
このような仕事にかかわれることはスーパーゼネコンで働く最大のメリットでしょう。
スーパーゼネコンで働くのに向いている人の特徴
最後に、スーパーゼネコンで働くのに向いている人の特徴を紹介します。
社会的意義のある仕事がしたい
社会的意義のある仕事がしたいと考えている人にとって、スーパーゼネコンはまさにぴったりです。
自分が携わった仕事が世の中の人のためになっているのを、目で見て感じることができるのでやりがいは大きいでしょう。
体力に自信がある
施工管理の場合、体力面でハードな仕事になります。
体力に自信のある人は、早い段階でその労働環境に慣れることができるでしょう。
体育会系のノリが得意・好き
建設業界は、ザ・体育会系です。
体育会系のノリが得意だったり好きだったりする人は、人間関係を円滑に進めやすいし、出世もしやすいでしょう。
もちろんみんながみんな体育会系というわけではないですし、体育会系でない人でも出世している人も大勢いるので、体育会系のノリが苦手な人も安心してください。
プライベートを多少犠牲にしてもお金がほしい
ゼネコンの仕事は転勤や残業などプライベートに少なからず影響を及ぼしますが、その分給料はいいです。
そのため、プライベートは多少犠牲になってもいいからお金が欲しいという人には向いています。
ただし、高い給料の理由が残業代であるため、費用対効果を考える人には向いていません。
まとめ:スーパーゼネコンはやばいけど、メリットもある
今回は、
を紹介しました。
スーパーゼネコンがやばいのは事実ですが、メリットもあるので、自分が向いているのかどうかを見極めて就職や転職を検討するようにしましょう。



